レッドブル・ホンダ「答え合わせ」の好機。マシンバランスの改善も重要だ (3ページ目)

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki
  • photo by Boozy


 開幕戦では予選で0.5秒差をつけられても、決勝でメルセデスAMGの背後を走ることはできた。その差が0.2〜0.3秒なら、決勝では優勝争いも可能だというわけだ。

 アレクサンダー・アルボンは先週のレース終盤、セーフティカー導入で優勝のチャンスが舞い込みながらも、ルイス・ハミルトンとの接触でそれをフイにしてしまった。だが、アルボンもフェルスタッペンと同じように、マシンバランスが改善できれば上位とのギャップは縮められると自信を見せる。

 レース全体を通してみれば毎周0.5秒ほどの後れがあった。しかし、今週は違ったレースを見せてくれるはずだ。

「僕のマシンもマックスと同じように、FP1の段階からすでに挙動が不安定だった。ただこれは、マシン全体に関わる問題ではなくて、必要なのは小さな問題のファインチューニングだよ。

 各コーナーに対して少しずつ向上させることができるものだし、すでに週末のレースに向けてその改善も果たせているはずだ。僕らはそこに集中しているよ。先週欠けていた部分をしっかりとまとめ上げることができれば、結果はついてくる」

 ハミルトンとの接触については「起きてしまったことは仕方がないし、もちろんルイスも意図的に当てたとは思っていない。5秒加算ペナルティはいつものルールに則った妥当な裁定だ」としながらも、次にまた同じ状況に直面したとしても「100%同じことをやるよ。後悔はまったくないし、仕掛けるチャンスを待っているなんてあり得ない」と、勝利に対する貪欲さとアグレッシブさは失っていない。

 開幕戦ではつまずいてしまったレッドブル・ホンダだが、同じサーキットでまたレースが行なわれる今週末は、その失敗に対する対策の"答え合わせ"をする絶好のチャンスだ。

 パワーユニット、そして車体の両方が第2戦シュタイアーマルクGPの金曜フリー走行までにどれだけ対策が整っているか。

 その結果によっては、まだまだ今シーズンは捨てたものではないかもしれない。

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