レッドブル・ホンダ、空力開発に迷い。2台リタイアも見せていた実力と光明 (2ページ目)

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki
  • photo by Boozy


「新型は1セットしかなかったから、チームはそれを僕に与えてくれた。まだその新旧の差を理解しようとしているところだけど、そのふたつのウイングは異なるフィロソフィで作られたものなんだ。

 それが(タイム差にして)どのくらい違うのかは教えられない。なぜなら、僕は知らないからね。まだそれを学んでいる途上だということだよ」(フェルスタッペン)

 その発言が意味するのは、レッドブルの空力開発に迷いが生じているということだ。

 今後の新たな方向性を見定めたうえで、この新型ノーズを投入しているとも言える。だが、それはバルセロナ合同テストや3月のメルボルンまでのRB16は、やはり不完全なマシンだったとも言える。

 それを象徴するかのように、金曜フリー走行でのRB16の挙動はリアがナーバスで、両ドライバーともにスピンを喫するなど、手を焼いている様子が明らかだった。

 金曜から土曜にかけて、夜のデータ解析によるセッティング熟成でいくらかは改善された。とはいえ、予選になってもまだ、フェルスタッペンは高速コーナーセクションでのソフトタイヤのムービング(ゴム表面の剛性感がなく、レスポンスが悪い感触)を訴えていた。そのせいで、0.5秒もの大差をつけられてしまったのだ。

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