「今季F1は絶対おもしろい」超A級の三つ巴に名カメラマンが太鼓判 (2ページ目)

  • 川原田剛●取材・構成 text by Kawarada Tsuyoshi
  • 村上庄吾●撮影 photo by Murakami Shogo

桜井 それはありますね。シューマッハが勝ちまくっていた時代のフェラーリは、チームとしての一体感がありました。シューマッハはフェラーリがどん底の時代からスタッフ全員を巻き込んで、みんなと一丸になって強いチームを作りあげていきました。それがハミルトンの場合は、僕は運転する人、エンジニアやメカニックはマシンを作る人、とはっきりと分かれている感じ。チームとしてまとまっていないように見えます。

熱田 マシンを走らせる才能だけで言えば何も言うことはないよね。ただ、チームからの信頼感や求心力を持っているかといえば、そこは歴代のチャンピオンに比べて足りないように感じます。

桜井 ハミルトンからは、「熱さ」を感じないんですよ。日本のF1ファンには一生懸命にやっている姿が見えるドライバーが好まれますが、彼はそういうのを表に出さない。だから日本ではいまいち人気がないのかもしれないですね。海外では結構人気があるんですけど。

熱田 例えばセナは走った後にクルマから降りると、ガレージの中でエンジニアと延々と話して、ひたむきに仕事に取り組んでいました。まるでレースにすべてを捧げているような印象でした。でもハミルトンはコーヒー飲みながらエンジニアと少しだけ話すと、それですぐピットの裏へ行っちゃう。で、走行時間になるとピュっとまた出てきて、すぐコースインしていくという感じなんです。

桜井 ただ今は昔とは違ってドライバーの役割が変わってきているし、スケジュールが過密になっていることも影響しているかもしれません。僕はあるチームの仕事もしていたので、ドライバーの一日のスケジュール表を見たことがあります。ブリーフィング、サイン会、スポンサーの挨拶など、予定がびっちりです。ご飯を食べる時間もままならない。

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