F1を撮影して30年。2人のベテランカメラマンがぶっちゃける今季展望 (4ページ目)

  • 川原田剛●取材・構成 text by Kawarada Tsuyoshi
  • 村上庄吾●撮影 photo by Murakami Shogo

桜井 今年ミハエル・シューマッハの記録に並ぶ通算7度目の世界王者を目指すルイス・ハミルトン(メルセデス)、史上最年少王者を目指す22歳のマックス・フェルスタッペン(レッドブル)、フェラーリのエースとなった同じく22歳のシャルル・ルクレールの3人が中心になるのは間違いないでしょう。

 開幕前のテストではメルセデスのマシンにちょっとトラブルが多かったので、今シーズンはもしかするとフェルスタッペンが「来る」のかなという期待はあります。僕は開幕前のテストを取材してきましたが、ちょっとマシンに問題があろうが、本番までにしっかりと挽回してくるのが王者メルセデス。フェラーリもマシンにやや問題あると言われていますが、遅くはなかったですね。そういうことを考えると、メルセデス、レッドブル、フェラーリが三つ巴になっておもしろいシーズンになるんじゃないかなと思っています。

熱田 今年もハミルトンは強いと思いますよ。35歳になりますが、昨シーズンの走りを見る限り、衰えは一切感じない。ただ願望としては、日本のホンダのPUをドライブするフェルスタッペンが、メルセデスのハミルトンと毎回ガチンコ勝負をするシーンが見られたらうれしいですね。

桜井 そうだね。あと現代のF1マシンはめちゃめちゃ速いんです。昨年の段階でもすごく速くて、モナコや鈴鹿、開幕戦の舞台となるオーストリアなどいくつかのサーキットでコースレコードが更新されていますから。それほど速いのに、今年はレギュレーションがそのままで、各チームはさらにマシンを大きくアップグレードしてきていますので、もっと速くなっているんです。各サーキットでどんなタイムを出してくるのか、そこも見どころだと思いますね。

●コロナ禍の影響で開幕が4カ月ほど遅れました。延期期間中の大半はF1チームの工場が閉鎖されていたようですが、どんな影響があると思いますか?

熱田 工場は閉鎖されていたと思いますが、各チームはいろんな方法で開発を継続していたはず。4カ月あれば、どうにでもなるわけですから、白紙からのスタートと言っていいと思います。

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