F1ホンダ、頂点へ自信あり。言い訳なしで「技術と技術の勝負」 (3ページ目)

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki
  • 桜井淳雄●撮影 photo by Sakurai Atsuo(BOOZY.CO)


 だが、今年は開幕戦オーストリアGPの時点でパワーユニットの仕様が登録され、以降のアップグレードは禁止となる。

 ホンダは3月のメルボルンの時点で用意していた当初の開幕仕様スペック1に対し、この3カ月半でさらに開発を進めてきた。3月にシーズンが始まっていれば、今頃はすでにスペック2が投入されていたはずだ。

 しかし、新型コロナウイルスの感染拡大による開幕延期とヨーロッパでのロックダウンを受け、パワーユニットマニュファクチャラーも7週間のシャットダウン(操業停止)を余儀なくされた。結果、当初のスペック2まで完成させることはできなかった。

 そのなかで完成に漕ぎ着けたパワーユニットを、ホンダは「スペック1.1」と呼んでいる。

 だが、どうやらその伸びしろは「0.1」どころではなさそうだ。

「オーストラリアでの開幕の頃にはスペック2の開発はけっこう進んでいましたが、シャットダウンに入ったことで確認作業などが遅れ、取りこぼしもありました。でも、想定どおりの開発はできましたし、パーフェクトではないけれどやれることをやったのが、このオーストリア仕様のスペック1.1です。

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