F1ドライバーの引退後。セカンドライフは億万長者、大統領候補も (5ページ目)

  • 川原田剛●文 text by Kawarada Tsuyoshi
  • 桜井淳雄●撮影 photo by Sakurai Atsuo(BOOZY.CO)

 F1でチームを運営していくためには年間数百億円という活動資金が必要になる。加えて、マシンを開発する技術力、ビジネスセンス、政治力、多国籍のスタッフをまとめるリーダーシップなど、多くの能力が求められる。現役時代に数々の名声をあげたドライバーといえども、グローバルなスポーツビジネスとなったF1で、チームを成り立たせるのは簡単ではない。

 F1ドライバーが創業し現存しているのは1チーム、マクラーレンだけだ。F1で4勝をあげたニュージーランド出身のブルース・マクラーレンが立ち上げた。1966年にデビュー。ブルースは70年に事故死するが、その後チームはブルースの右腕だったメンバーらによって引き継がれ、他チームとの合併などを経て、現在まで活動を続けている。

 もしブルースが生きていたら......。おそらくマクラーレンは、ラウダやプロスト、アイルトン・セナ、ルイス・ハミルトンといった数々の名ドライバーを輩出する強豪チームになっていなかったのかもしれない。

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