セナとも仲良くやった人徳者ベルガー。今やモータースポーツ界の重鎮 (2ページ目)

  • 川原田剛●文 text by Kawarada Tsuyoshi
  • 桜井淳雄●撮影 photo by Sakurai Atsuo(BOOZY.CO)

無料会員限定記事

 フェラーリではナイジェル・マンセル、マクラーレンではアイルトン・セナとチームメイトだったベルガー。F1ドライバーの中でもトップクラスのエゴイストふたりと組んでも、ひょうひょうと自分の仕事をこなしていた。気難しいことで知られるセナに数々のいたずらを仕掛け、友人関係を築きあげたというだけでもベルガーの人徳がうかがえるが、人柄の良さだけで生き残っていけるほどF1の世界は甘くない。

 ベルガーは高速サーキットでは無類の速さを発揮し、ここ一番の勝負の舞台で大仕事をやってのける実力と強運の持ち主だった。
マクラーレン時代にチームメイトだったセナ(写真左)とベルガー(写真提供/McLaren Racing)マクラーレン時代にチームメイトだったセナ(写真左)とベルガー(写真提供/McLaren Racing) 特に1988年のイタリアGPはドラマチックなレースとして多くの人の心に刻まれている。このシーズンは、アラン・プロストとセナがドライブするマクラーレン・ホンダが桁違いの速さを見せつけ、全16戦中15勝という大記録を打ち立てる。その最強マクラーレン・ホンダに唯一の黒星をつけたのが当時フェラーリのベルガーだった。

 異次元の走りをみせるマクラーレン・ホンダが連勝を続ける中で迎えた第12戦イタリアGP。その約1カ月前にフェラーリの創始者エンツォ・フェラーリが90歳で死去しており、追悼レースだったのだが、フェラーリの勝利を期待するファンはほとんどいなかった。

 しかし奇跡は起こった。ベルガーが見事に優勝し、チームメイトのミケーレ・アルボレートも2位でゴール。フェラーリは母国GPでワンツー・フィニッシュを達成し、モンツァ・サーキットは喜ぶファンで真っ赤に染まった。

全文記事を読むには

こちらの記事は、無料会員限定記事です。記事全文を読むには、無料会員登録よりメンズマガジン会員にご登録ください。登録は無料です。

無料会員についての詳細はこちら

厳選ピックアップ

キーワード

このページのトップに戻る