佐藤琢磨「みんなで乗り越えるしかない」。
米レース界も続々キャンセル

  • 天野雅彦●文 text by Masahiko Jack Amano
  • photo by Brittany Murray/MediaNews Group/Long Beach Press-Telegram via Getty Images

 いまのところインディカーは、5月の2週目に、インディアナポリスのロードコースでのイベントでシーズン開幕する予定だ。すでにシーズンインしていたNASCARとIMSAも、5月からはスケジュールどおりに開催したいという思惑でいる。

 しかし、いくつかの州で外出禁止令が出されるほど、アメリカの感染拡大は悪化の一途をたどっており、5月に世の中が正常化するのは難しい状況に陥っている。「過剰に反応し過ぎ。スポーツイベントはやっても大丈夫」と言う人もいれば、「もう今年は全部キャンセルするしかないのでは?」と、悲観的になっているファンもいる。

 世界最大のレースであるインディアナポリス500は、果たしてどうなるか。

 104回目のインディ500は5月末開催で、その2週間前からプラクティスを行なうのが恒例だ。だが、現実的には世界一の歴史を誇るレースも、戦争以外での初めてとなる延期の決断を下さなければならなくなる可能性は高い。F1は5月末、つまりインディ500と同じ週末のモナコGPの中止をすでに発表している。耐久レースのル・マン24時間は、すでに6月からに9月への延期を発表している。「インディ500も秋に開催。そしてそれがシーズン最終戦になるというのも、いいじゃないか」という声も出ている。

 感染拡大はまだ鎮静化しそうもないが、レースを含むスポーツが行なえる平穏な世界に戻ることを祈るばかりだ。

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