F1開幕戦の中止はなぜ
ギリギリの決断になったのか?

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki
  • 桜井淳雄●撮影 photo by Sakurai Atsuo(BOOZY.CO)

 これを受けて、マクラーレンは木曜の夜10時にオーストラリアGPから撤退すると表明。当該スタッフとの接触が多かった14名も経過観察のため、14日間の隔離措置を受けることになった。

 ドライバーやチーム首脳陣などが宿泊するメルボルン市内のクラウンホテルでは、全チームの代表とFIA(国際自動車連盟)、FOM(フォーミュラ・ワン・マネジメント)関係者が集まり、今後の対応が話し合われた。

 当初はオーストラリアGP開催に関して、投票は五分五分の結果だったという。だが、メルセデスAMGがダイムラー本社CEOとの話し合いを経て反対側に回ると、最後はレッドブルとアルファタウリだけが開催を主張するという展開になった。

 テクニカルディレクターの表情が物語っていたとおり、レッドブルは相当な自信を持っていたのだろう。

 開幕戦がキャンセルとなれば、翌週のバーレーンGPもほぼ自動的にキャンセルになる。第3戦のベトナムGPも入国制限のため、開催は難しい状況であり、その先の見通しもはっきりとはしていない。

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