F1開幕戦の中止はなぜギリギリの決断になったのか? (3ページ目)

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki
  • 桜井淳雄●撮影 photo by Sakurai Atsuo(BOOZY.CO)

『ライバルたちはどんなことをしているんだろう』『自分たちがどこにいるんだろう』なんて考えて時間を浪費するよりも、自分たちのクルマのどこを改善できるかに集中したほうがよっぽどマシ。そんなのエネルギーの無駄使いだと思う。それが僕のアプローチの仕方なんだ」(マックス・フェルスタッペン)

 そう語るドライバーの取材は、いつものようにテーブルを囲んで向かい合うスタイルではなく、屋外でドライバーから2メートルの距離を置いて設置されたテンサバリアーの向こう側から質問し、マイクで答えるというスタイルが取られていた。

 新型コロナウイルスの感染拡大を受け、パドックでも予防策が必要となっていたからだ。大勢のスタッフが密集することになるテレビインタビューはすべてキャンセルされ、代表質問のみとなっていた。

 そんななか、水曜日に新型肺炎とおぼしき症状を訴えたチームスタッフ数名が名乗りをあげて、ホテルの自室で自己隔離を経たあとに検査した結果、マクラーレンのスタッフ1名に陽性反応が出た。

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