新型コロナウイルスがF1にも影響。フェラーリは問題山積で前途多難 (3ページ目)

  • サム・コリンズ●取材・文 text by Sam Collins
  • 桜井淳雄●撮影 photo by Sakurai Atsuo(BOOZY.CO)

 フェラーリエンジンの供給を受けるアルファロメオとハース以外の全チームは、この「合意」に対して強い不満を示しており、彼らは「今後、法的措置も検討する」との共同声明を出している。そのため、今後の動向次第ではチーム代表のビノットの首も怪しくなってくる。

 ちなみに、今季はセバスチャン・ベッテルにとってフェラーリとの契約の最終年にあたるため、多くの問題を抱えたフェラーリが不本意なシーズンを送ることになれば、今季を最後にベッテルがフェラーリを、あるいはF1から去る可能性すらありそうだ。

 2度のバルセロナテストを踏まえて、開幕前の現時点での今シーズンの上位陣の「戦力地図」を整理しておこう。

 メルセデスを追うフェラーリ、レッドブルだが、今年もメルセデスの優位は揺るがないものの、フェラーリが多くの問題を抱えるなか、昨年、ナンバー3的ポジションだったレッドブルが、2020年シーズンはメルセデスに次ぐ第2のポジションで開幕に臨むと見ていいだろう。

 日本の研究所で開発されたホンダの新しいパワーユニット、RA620Hが大きな進化を遂げていることは間違いない。テストでも、その「独特なサウンド」は非常に印象的で、ホンダは技術的なブレイクスルーを見つけたようだ。

3 / 4

厳選ピックアップ

キーワード

このページのトップに戻る