佐藤琢磨、インディカー11年目の挑戦。マシン変更をチャンスにできるか (6ページ目)

  • 天野雅彦●文 text by Masahiko Jack Amano
  • 松本浩明●写真 photo by Hiroaki Matsumoto

 セブリングでも琢磨のマシンを中心に基礎研究をこなし、テストデイの終盤になってからコンディションに合わせたセッティングでラップを重ねた。しかし、路面状況の悪化なども影響したか、タイムは思うように縮まらなかった。「みんなとほぼ同じタイミングでフレッシュタイヤを投入したけれど、タイムをよくできなかった点が気になります」と、ここでも琢磨は笑顔を見せることがなかった。トップに1秒以上も引き離されていたのだから当然だ。

 開幕前のテストは2回だけ。走り込んだ距離、集めたデータ量はともに不足している。いずれのコースでもラップタイムが芳しくなかったRLLと琢磨は、序盤戦、苦戦を強いられる可能性も否定はできない。

 しかし、彼らが2回のテストであえて新しいセッティングコンセプトをトライしたのは、エンジニアたちがオフシーズン中に取り組んだ多くのテストが、昨年までの彼らの弱点を克服するために必要であり、それを実現できるとの自信を持ったからだ。今後はその成果が出てくるものと期待ができる。

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