佐藤琢磨、インディカー11年目の挑戦。マシン変更をチャンスにできるか (4ページ目)

  • 天野雅彦●文 text by Masahiko Jack Amano
  • 松本浩明●写真 photo by Hiroaki Matsumoto

 データを振り返っても、シリーズ王者になるには少なくとも3勝する必要がある。昨年2勝している彼にとって、これは十分に実現可能な目標だろう。勝てないレースでも上位フィニッシュを重ねる安定感ある戦いぶりを見せ続ければ、偉業達成も有り得る。

「2013年にAJ・フォイトのチームで初優勝した時、僕とエンジニアは、当時新しく導入されたばかりのファイアストンタイヤの特性をライバルたちより早くつかんで優位に立ちました。2020年はエアロスクリーン付きになってマシンのキャラクターが少し変わるので、それを自分たちのチャンスにしたい」

 だが、開幕前にサーキット・オブ・ジ・アメリカス(COTA)で行なわれた合同テストでは、参加した27人のうち22番手だった。雨と低温という悪コンディションに見舞われ、新しいマシンセッティングの基本研究プログラムをこなした琢磨は周回数も少なく、コースコンディションの変化に対応してラップタイムを縮めていくことができなかった。

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