メルセデスAMG、衝撃の新マシン。
革新的システム「DAS」とは何だ?

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki
  • 桜井淳雄●撮影 photo by Sakurai Atsuo(BOOZY.CO)


 そのアグレッシブなほどコンパクトなルックスは、今季こそタイトル挑戦をターゲットに掲げるレッドブルの目標と合致するように、世間に十分な衝撃を与えた。

 しかし王者メルセデスAMGは、はるかにその先をいっていた。

 まず、パワーユニットの作動温度領域を上げ、冷却オイルが高い温度でも走行を可能にした。

 これによって、冷却用のラジエターを小さくすることができ、マシンのサイドポッドやリアカウルはレッドブル以上にコンパクトに絞り込まれている。パワーを追求するのではなく、温度で車体パッケージに貢献し、別の方法でマシン全体としての速さを手に入れようというわけだ。

 さらにバルセロナ合同テストの2日目には、ステアリングを手前に引くとフロントタイヤのトー角(※)が変わるという「DAS(デュアル・アクシス・ステアリング)」の存在を明らかにしてきた。

※トー角=クルマを真上から見下ろした時の、タイヤと車軸との角度。普通のクルマはトー角が0度(クルマの進行方向とタイヤが並行)に設定されている。

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