今季F1注目ポイント。ハミルトンがシューマッハの記録を塗り替えるか (5ページ目)

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki
  • 桜井淳雄●撮影 photo by Sakurai Atsuo(BOOZY.CO)

 一方のフェラーリは、そうした「勝ち切る」という点であまりに弱い。彼らに逆転の可能性があるとすれば、メルセデスAMGを圧倒するような速さを持つマシンパッケージを作りあげた時だろう。それならば、彼らも焦りや混乱なくレースを戦い、勝利を収めることができるはずだ。

 しかし、昨シーズンの夏休み明けから6戦連続ポールポジションを獲得した際に手にしていたとされるパワーユニットの優位性は、レギュレーション解釈が明確化されたことで封じられた。パワーの優位を保つためにフェラーリはパワーユニットのレイアウト変更を進めているというが、それがどこまでうまくいくか。

 レッドブル・ホンダがコンストラクターズタイトルを手にするためには、アルボンの存在が重要になる。フェルスタッペンは速さも強さも兼ね備えたドライバーだが、アルボンは速さでまだまだフェルスタッペンとは大きな差があり、3強チーム6台の一番後ろを走ることが少なくなかった。これではタイトルを獲ることはできない。

 2019年も速さでは、フェラーリを上回る場面が多かったレッドブル。だが結果として、ほぼ常に各レースでの獲得ポイント数はフェラーリを下回っていた。いくらフェルスタッペンが孤軍奮闘しても、2台が揃って上位で戦えなければコンストラクターズタイトルを獲ることはできない。

(中編)へ続く>>>

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