2019.10.25

70歳で現役。伝説のラリードライバー
篠塚建次郎は「喜寿まで走る」

  • 川原田剛●取材・構成 text by Kawarada Tsuyoshi
  • 村上庄吾●撮影 photo by Murakami Shogo

――篠塚さんが参戦する『アフリカ・エコレース』は2009 年より毎年開催されているラリーレイド大会です。かつてのパリダカ同様、モロッコからモーリタニアを走り、セネガルの首都ダカールまで、約2週間かけて6500 キロを走破する過酷なイベントです。

 12年ぶりにアフリカを走って、やっぱりサハラ砂漠は最高に面白かった。でもワークス時代と違って優勝を狙う走りじゃありません。今はプライベーターですし、僕が初めてパリダカに参戦した時と同様に市販車クラスに出たんです。目標は完走だったので、マシンを壊さないように心がけながら走りました。

「サハラ砂漠は、とにかく広大で面白い」(篠塚)(写真は篠塚氏提供)――2020年も年明けに開催される『アフリカ・エコレース』には出場する予定なのですか?

 今回も出場しようと計画しています。前回はスポンサー集めからクラウドファンディングまで、ありとあらゆることをやりました。日本が景気の良かった時代はお金を出してくれる企業も多かったのですが、今はなかなか難しい状況です。70歳になった今でも、お金集めに奔走しています(笑)。

――やっぱりまだまだ走りたい、燃え尽きていないということなんですか?

 そうですね。別に誰かからやれと言われていないのですが、まだ走りたいし、走れると思っています。今年のアフリカ・エコレースは「70歳の挑戦」というキャッチフレーズで戦いましたが、カミさんが「別に70歳じゃなくてもいいんじゃないの。やりたければもっとやれば」と言ってくれました。たしかにそうだなと思い、今年からはキャッチフレーズを「古稀から喜寿へ」に変えたんです。できれば77歳(喜寿)まで走れればいいなあと思っています。

――ラリーに参加していて、衰えを感じることはありませんか? 

 ナビゲーターがフランス人の女性(カティ・ドゥローソー)なので、マシンがスタックした時には僕がマシンの下にもぐって、砂をかき出すのはつらいですよ(笑)。タイヤがパンクした時も大変です。タイヤがひとつ30キロぐらいあるんです。重いから疲れますね。

 でも、クルマの運転に関しては疲れを感じることはないですし、アフリカの暑さについても問題ないです。ワークスマシンはエアコンがついていますが、我々はパワーがロスしないようにエアコンをつけません。目標は完走ですが、「少しでも前に!」という気持ちは失っていませんよ。

 無理しちゃいけないと思うんですけど、いざ走り始めると、気持ち的にはワークスマシンに乗っていた頃とあまり変わりません。でも、ちょっと忘れっぽくなってはいるかもしれませんね(笑)。