マルケス独走V。日本GPは現在のMotoGPの勢力図を象徴する結果に (2ページ目)

  • 西村章●取材・文 text by Nishimura Akira
  • 竹内秀信●撮影 photo by Takeuchi Hidenobu

「今日のマルクはとても速くて、1周目からついていくのはもう限界だった。でも、いい走りで2位に入れたのでよかった」

 そう話すクアルタラロは、マルケスがリア用にミディアムコンパウンドのタイヤを選択したのに対して、ソフトをチョイスしていた。高いグリップ力を引き出してレース中盤にマルケスに迫ったが、それに気づいてさらにひと押しペースを上げた相手のほうが、やはり技術も役者も一枚上手だった。

 とはいえ、今回の2位により、クアルタラロはルーキー・オブ・ザ・イヤーを確定。チームとしても、最高峰クラス初年度ながら、ファクトリー以外の全チームで争うインディペンデントチームランキングの首位を独走している。インディペンデントチームライダーの順位で見ても、クアルタラロはもちろんトップにつけている。

「(プレシーズンの)マレーシアテストの時から目標にしてきたし、思っていたよりも上々の結果。自分もチームもMotoGP初年度なので、インディペンデントベストの位置を勝ち取りたい」と述べたが、こちらもほぼ確実に手中に収めているといって差し支えないだろう。

 3位に入ったアンドレア・ドヴィツィオーゾ(ドゥカティ・チーム)は、いかにもこの選手らしい粘り強くクレバーな走りでしたたかな追い上げを見せ、表彰台獲得を果たした。

 3列目7番グリッドからスタートしたドヴィツィオーゾは、リアタイヤにミディアムコンパウンドを選択。安定したペースで3番手集団につけ、機をうかがいながら1台ずつ処理してじわじわと前へ出て行った。

 レース中盤で3番手に浮上した時は、2番手のクアルタラロとは4秒以上の差が開いていた。高水準のペースで淡々と走り続けるドヴィツィオーゾは、終盤にソフトコンパウンドのリアタイヤが消耗して苦戦するクアルタラロに照準を定め、最後は0.5秒差まで追い詰めた。

「ファビオが前で苦労しているのが見えていたので、頭のちょっと足りないライダーみたいに無茶気味なブレーキングで勝負をしていった。何度もフロントがロックしたけど、ブレーキは自分の武器だから、とくに(ハードブレーキングの)11コーナー(90度ターン)でかなり稼ぐことができた。

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