トロロッソへ降格で凹んでいたガスリーが、鈴鹿で笑顔を取り戻した! (3ページ目)

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki
  • 桜井淳雄●撮影 photo by Sakurai Atsuo(BOOZY.CO)

 レース終盤はサスペンションにトラブルを抱え、普段は余裕で全開走行が可能な130Rでもマシンがフラつき、「DRS(※)が開いたままになっているみたいだった」とガスリーは言う。だが、それでも巧みに後続を抑え込み、ポジションを守り抜いて8位入賞を手にした。

※DRS=Drag Reduction Systemの略。追い抜きをしやすくなるドラッグ削減システム/ダウンフォース抑制システム。

 レッドブルから降格された直後は納得できず、塞ぎ込んでいたガスリーだったが、トロロッソで再び走る喜びを掴み取り、すっかり見違えたように笑顔があふれるようになった。

 下された決定に納得しようとしまいと、今の自分がやるべきことはトロロッソで全力を尽くし、結果を示して未来を変えること――。そう言い切れるようになった。

「フランス語で『いくつもの星をきちんと並べなければならない』という表現があるんだけど、それは自分の持っているパッケージのすべてを最大限に使うということだね。レッドブル時代に『もっとこうできた』『もっとうまくやれた』と思うところもあるよ。でも、こういうことについて、あまり話したくない。

 今はトロロッソでのレースに集中したいし、自分たちの持っているパッケージの能力を最大限に引き出せるようにしたいから。今週末はまさにそれができたし、今後のレースでも同じようにできるようにしないとね」

 熱心な大観衆からどこのグランプリよりも大きな声援を受けたガスリーは、難攻不落の鈴鹿で力を最大限に出し切ることができた。残りの4戦ではさらにすばらしいレースを演じ、来季の躍進へとつなげてくれるはずだ。

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