トロロッソへ降格で凹んでいたガスリーが、
鈴鹿で笑顔を取り戻した!

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki
  • 桜井淳雄●撮影 photo by Sakurai Atsuo(BOOZY.CO)

 それにもかかわらず、FP1で行なったアップグレードの評価をしっかり見極め、FP2では抱えていたアンダーステアの問題をしっかりと修正した。日曜午前に行なわれた予選では、きっちりとQ3に進出して9番グリッドを掴んでみせた。

「金曜のFP1で走れなくてFP2が唯一の走行セッションというなか、鈴鹿みたいな難しいサーキットで簡単なことではなかったけど、やるべきことはすべてやった。マシンもしっかりと仕上げて、本来あるべき場所につけることができたわけだからね。

 理想的な準備時間があったわけではないけど、FP2で9位、予選で9位、そして決勝では8位になれた。トロロッソにとっては、ここまでで最も完璧なレース週末だったと思う。エンジニアとの共同作業の進め方や、レース週末のなかでマシンをどう改良していくかなど、僕自身も進歩している」

 昨年の鈴鹿では予選で6位・7位に入る好走を見せたものの、決勝では失速してポイントは獲得できずに終わってしまった。予選寄りのセットアップにしすぎたことで、タイヤに厳しいマシンになってしまったことが原因だった。

 しかし、今年はその教訓をしっかりと生かし、予選でも決勝でも速いマシンに仕上げてきた。テクニカルディレクターのジョディ・エジントンはこう語る。

「FP1はまだ路面コンディションがよくなかったこともあって、マシンはアンダーステア傾向が強かった。その空力面とメカニカル面の問題はわかっていたが、我々は今回フロントウイングとフロアを持ち込んでいて、ダニーのマシンにそれを装着して、2台の比較テストでデータ収集を行なった。

 だから、どうすればアンダーステアが解消できるかはわかっていたんだが、データ収集のためにできるだけ2台をずっと同じ状態で走らせ続ける必要があったんだ。そんななかでも、ナオキはよくやってくれたよ」

 もちろん、アップデートも効いていた。

「今回のアップデートはそれほど大きなものではない。ラップタイムにして0.1秒程度だ。だけど、タイトな中団グループの争いのなかでは、そのわずかな差が生きてくる。マシンは着実によくなっており、メキシコとアメリカでもさらにアップデートを入れていく。チームとして、着実に進歩しているよ」

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