レッドブル・ホンダ、新型燃料投入。チーム一丸「鈴鹿スペシャル」で戦う (3ページ目)

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki
  • 桜井淳雄●撮影 photo by Sakurai Atsuo(BOOZY.CO)

 セクター1は200~250km/hのコーナーが右へ左へと連続し、約2kmに渡ってコーナリングし続けるハイスピードセクション。マシンの空力性能の限界が試される。多くのドライバーが「世界でベストなセクター」として挙げる。

「鈴鹿は最も好きなサーキットのひとつだし、FP1デビューを飾った場所でもあるし、僕にとって特別な場所であり続けている。第1セクターは信じられないくらい速いし、ランオフエリアもなくて、真のドライバーズサーキットだ。コーナーのコンビネーションがすごくよくて、とくに軽タンクで走る予選では本当に楽しいよ。マシンバランスがいいマシンなら、なおさら走っていて楽しいしね」

 フェルスタッペンはそう語るが、フェラーリはシンガポールGPで投入した新型ノーズによって、低速域・中速域のコーナリング性能を向上させてきた。そして鈴鹿では、シンガポールやソチでは試されなかった中高速域の空力性能が試されることになる。

 メルセデスAMGはフェラーリの最高速に対抗するため、ダウンフォースを削ってコーナーを犠牲にしながら戦ってきた。だが、鈴鹿には新しい空力パッケージを投入し、「これによって驚くべき速さを取り戻せれば」(バルテリ・ボッタス)と言う。

 そんななかでレッドブルは劣勢だが、ポイティブな要素としては、ソチのセクター1~2にある中速コーナーでは最速だったことが挙げられる。中高速コーナーの連続する鈴鹿でも、フェラーリが最速であり続けるとは限らない。

 それに加え、非常に強い勢力を持つ台風19号の影響で、土曜のフリー走行と予選がキャンセルになった。どのチームも十分な走り込みができないまま、日曜の1日開催となる予選・決勝に臨まなければならない。

 となれば、限られた時間のなかでセットアップを整え、できるだけ多くの速さをマシンから引き出すチーム力が問われることになる。

「残念なことに台風が近づいて来ていて、どうにも避けようがない状況ですから、走行が短くなることは避けられません。走行が短くなる分、それを見込んでプログラムを組み、密に速くセッティングを進めて予選・決勝に備えたいなと思っています。いかにうまくマシンをセットアップできるかが各チームの勝負になります」(田辺テクニカルディレクター)

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