レッドブル・ホンダ、新型燃料投入。チーム一丸「鈴鹿スペシャル」で戦う (2ページ目)

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki
  • 桜井淳雄●撮影 photo by Sakurai Atsuo(BOOZY.CO)

 今年からスタートしたエクソンモービルのホンダ用燃料開発は、決して順調とは言えなかった。シェルがフェラーリ、ペトロナスがメルセデスAMGのために専用燃料を開発して性能を引き出しているのに対し、エクソンモービルは今季まだ一度もアップグレードが果たせていなかった。

 ホンダの協力を得てようやく完成に漕ぎ着けたが、当初言われていたほどの大きなステップは果たせなかったと、チーム関係者は言う。

 それでも、10kW(約13.6馬力)で0.2秒ほどのゲインになる。仮に0.1秒でも、大混戦の中団グループで戦うトロロッソにとっては、大きな後押しになる。ただし、レッドブルに必要なのは、もっと大きなゲインだ。

 レッドブル側も、新型フロントウイングの投入は断念したものの、フロアやリアウイングには手を加えてきている。空力性能が重要となる鈴鹿で、少しでもダウンフォースを増やしてコーナーを速く走ろうという意思の表われだ。

 マックス・フェルスタッペンはここ3年連続で表彰台に立ち続けている。しかし今年、その記録更新が簡単でないことも、また認識している。

「去年の鈴鹿でもフェラーリは強かったし、接触があったから後退しただけだよ。僕らも強力な戦いができると思うけど、バックストレートはかなり長い全開区間だからフェラーリにとって有利なはずだし、DRS(※)がないならなおさらだ。僕らにとっては、かなり苦しい区間になり得るだろう。

※DRS=Drag Reduction Systemの略。追い抜きをしやすくなるドラッグ削減システム/ダウンフォース抑制システム。

 ただ、僕らもフレッシュなエンジンを使うことができるし、それでどうなるかだね。(コーナー主体の)セクター1ではメルセデスAMGが速いだろうし、(ストレート主体の)セクター3ではフェラーリが速い。今年はずっとそうだったし、そのなかでいいバランスのセットアップを見つけられることを願うだけだ。全セクターで気持ちよく走れるようにセットアップできれば、必ずしもどこかひとつのセクターで最速である必要はないからね」

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