レッドブル・ホンダは鈴鹿で勝てる? 元F1ドライバー中野信治が分析した (3ページ目)

  • 川原田剛●構成 text by Kawarada Tsuyoshi
  • 桜井淳雄●撮影 photo by Sakurai Atsuo(BOOZY.CO)

 レッドブル・ホンダは後半戦に入ってから、メルセデスやフェラーリとの間に若干、差がついたように見えます。ただレッドブルとホンダの両陣営にとって想定内の結果だと思います。レッドブルはもともとサーキットによって得意不得意があるクルマです。高速コースのベルギーやイタリアは相性が悪いことは予想していたと思います。

 もともと持っているクルマのポテンシャルに加え、パワーユニット(PU)を含めた開発スピードがメルセデスやフェラーリと比べて一歩後れを取っていることが、現在の競争力の差を生み出していると僕は感じています。

 この点は来年に向けての課題だと思いますが、レッドブルもホンダも自分たちに何が足りないということはすでにわかっているはず。それに、両者ともに今年パートナーシップを組んで、いきなりチャンピオン争いをできるという淡い期待は持っていないでしょう。

 とはいえ、現状でメルセデスとフェラーリにまったく手が届かないほど大きな差がついているわけではありません。日本GPに関しては、天候やコースの状況次第では、フェルスタッペンが優勝争いに加わるチャンスは十分あると思っています。

photo by Yamamoto Raitaphoto by Yamamoto Raita■プロフィール 中野信治(なかの・しんじ) 1971年生まれ。F1、アメリカのCARTおよびインディカー、ルマン24時間レースなどの国際舞台で長く活躍。現在は日本最高峰のスーパーフォーミュラとスーパーGTに参戦するTEAM MUGENの監督を務めながら、佐藤琢磨とともにSRS(鈴鹿サーキットレーシングスクール)の副校長として若手ドライバーの育成を行なっている。世界各国での豊富なレース経験を生かし、DAZN(ダゾーン)のF1解説も担当している。

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