レッドブル・ホンダに光明。フェルスタッペン「もうすぐ僕らが勝ち始める」 (2ページ目)

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki
  • 桜井淳雄●撮影 photo by Sakurai Atsuo(BOOZY.CO)

「ターン1まではトウを使ったけど、そこから先は単独で自力で出したタイムだからね。ここまでコンペティティブだなんて思ってもいなかった。去年は予選で1.5秒も遅れていたから。今年はエンジン面でも大きな進歩を遂げることができ、マシンもとてもいいパフォーマンスを発揮している」

 また、アルボンのペースも全体的に底上げができたという。前回のベルギーGPで好走を見せたとはいえ、まだまだ習熟し切れておらず、「ナチュラルに気持ちよく走れてはいない」と話していたRB15への順応も、かなり進んできたからだ。

「今回は前回以上に楽しめたし、クルマに対する理解度も深まったよ。スイッチ変更に対してクルマがどんな反応を見せるのか、まだいろんなことを試しながらのレースではあった。だけど、それも僕にとっては新しい経験だった。マックスと比べても、レースペースもよくなったと思う」

 スパでは巧みなオーバーテイクをいくつも見せたアルボンだったが、モンツァではカルロス・サインツ(マクラーレン)とのサイドバイサイドのバトルでグラベルに飛び出したり、ケビン・マグヌッセン(ハース)とのバトルで5秒加算ペナルティを科されたりと、空回りしてしまったように見えた。しかしこれは、さまざまな要素を冷静かつ的確に判断してのバトルだった。

「(サインツとのバトルでは)ストレートでのオーバーテイクはかなり難しい。だから、コーナーでオーバーテイクを仕掛けるように工夫しなければならなかった。コーナーでは僕のほうが高いグリップを持っているのはわかっていたから。

 レズモのアウト側から並びかけると、レズモの2つ目では彼がコーナーを取ると思った。だけど、その先のアスカリで彼をオフラインに追いやって、仕留めるのが僕のプランだったんだ。ただ、思っていたよりも10cmほどタイヤがワイドに膨らんでしまい、グラベルに突っ込んでしまった。

 ケビンとのバトルでも、クレイジーなことは何もしていない。僕にとってはシケインをカットする以外、どこにも行きようがなかったんだから。ペナルティは厳しすぎるんじゃないかと思う。ちょっと散らかったレースになってしまったけど、自分自身の仕掛けたバトルは正当なものだった」

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