レッドブル・ホンダに光明。
フェルスタッペン「もうすぐ僕らが勝ち始める」

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki
  • 桜井淳雄●撮影 photo by Sakurai Atsuo(BOOZY.CO)

 超高速モンツァを舞台とした第14戦・イタリアGPのホンダ勢は、4台すべてが最新のスペック4パワーユニットを使って戦った。だが、レッドブル・ホンダのアレクサンダー・アルボンの6位が最高位。残りはレッドブル・ホンダのマックス・フェルスタッペンが8位、トロロッソ・ホンダはピエール・ガスリーが11位、ダニール・クビアトがリタイアという結果に終わり、ルノーやレーシングポイントを抜けず、苦戦する姿ばかりが印象に残った。

パワーサーキットのモンツァでフェルスタッペンは苦戦を強いられたパワーサーキットのモンツァでフェルスタッペンは苦戦を強いられた しかし、結果がすべてではない。モンツァでのレッドブル・ホンダ勢の走りには、今後に向けた確かな手応えがあった。

 前走車がおらずフリーエアで走っている時のレッドブル勢のペースは、フェラーリやメルセデスAMGと変わらない速さがあった。フェラーリと同様にダウンフォースが少ないため、極端にストレート速度偏重のルノーやレーシングポイントを抜くことはできなかったが、アルファロメオ勢などその他のマシンは次々と抜いていった。

 フェルスタッペンはスタート直後にノーズを壊し、ピットインを余儀なくされてもなお、8位まで挽回できたと前向きにとらえるべきかもしれない。グリッド降格ペナルティがなく上位グリッドからスタートできていれば、フェルスタッペンのレースはもっと違ったものになっていただろう。

「上位勢と一緒に争えたと思う。彼らの走りを場内スクリーンで見ながら自分のポジションアップの度合いを見ていたけど、ラップタイムを見ても彼らに対してタイムを失ってはいなかったからね。トラフィックに捕まった時はタイムロスをしたけど、フリーエアで走っている時を比べても、上位勢のペースはそんなに速かったわけじゃなかった」

 予選でのフェルスタッペンは、Q3で各車がトウ(スリップストリーム)を奪い合うあまりに時間切れでアタックできないという珍事によってフルアタックができず、本来の速さを披露するチャンスがないまま終わってしまった。

 しかしフリー走行で、トップのフェラーリからわずか0.032秒差の2番手タイムを記録したことや、その際にほとんどトウを使っていなかったことを考えれば。苦手だったはずのモンツァでのレッドブル・ホンダはかなり高いポテンシャルを持っていたと言えるだろう。

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