アルボンの快走は予想以上!レッドブル・ホンダの5位は次につながる (4ページ目)

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki
  • 桜井淳雄●撮影 photo by Sakurai Atsuo(BOOZY.CO)

 トロロッソのクルマで掴んだドライビングスタイルをリセットし、レッドブルのマシンが持つ『速く走らせるためのトリック(セッティングツール)』を理解する必要がある。それには時間がかかるよ。クルマをうまくドライブするだけなら、F1ドライバーなら誰でも相当なレベルにある。そこからさらにコンマ数秒を稼ぐためには、ドライビングだけでなく、クルマのセットアップ面について深く理解する必要があるんだ」

 だからこそ、5位という結果を手にしてもなお、フィニッシュ直後に我々の前に姿を現わしたアルボンの表情は満面の笑みではなかった。

 それでも、あれだけの走りができたことは間違いなく大きな収穫である。今後に向けて期待が持てる内容だった。

 そして、ホンダのスペック4も、最初から優勝争いは難しいと割り切るパワーサーキット以外では、シーズン前半戦のように再び優勝争いに絡んでいけるだけの力を有していそうだ。とはいえ、パワーユニットでも車体でもまだトップではないからこそ、今後に向けた改善は急務となる。田辺テクニカルディレクターはこう語る。

「『去年はあそこが得意だった、ここが不得意だった』と言っても、今年はそれが違うケースも出てきていますし、得意・不得意をはっきり出しているチームもあります。また、その不得意を不得意のまま後半戦も引きずってくるとも限りません。

 我々もできるだけのことはやりますし、チーム側もいろいろと手を考えています。それが簡単なことではないということもチーム全員が承知していますから、パワーサーキット2連戦のあとに向けて、そこをどう克服していくかが我々に求められていることだと思います」

 まずはパワーサーキット2連戦でスペック4を投入し、その後のシンガポールや鈴鹿へ――。そこで本領を発揮するための道のりを、今、歩み始めたばかりだ。

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