2位で悔しい贅沢。レッドブル・ホンダの速さはメルセデスAMGと互角だ (3ページ目)

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki
  • 桜井淳雄●撮影 photo by Sakurai Atsuo(BOOZY.CO)

 決勝もそのままスタートを決めてリードし、ピットストップも絶妙のタイミング。今季3勝目は手中に収めたかに思われた。

 しかし、メルセデスAMGはピットストップを遅らせて、6周フレッシュなタイヤで一気に攻めてきた。それでもうまくいかないと見るや、今度はもう一度ピットインして、20秒後方に下がってでもミディアムタイヤに履き替え、1周2秒速いペースで猛攻を仕掛けてきた。

「僕はハードタイヤで、ミディアムタイヤを履いたルイス(ハミルトン)の1秒以内のタイムで走り続けようとトライしたけど、ある時点でタイヤ(の寿命)が終わって1.5秒差になってしまい、そのうち2秒差になってしまった。マシンはスライドするし、完全にラバーがなくなってしまったようなフィーリングだったよ。そうなってしまうと、ドライバーとしてできることはほとんどない」(フェルスタッペン)

 ホンダも残り周回数で『オーバーテイクボタンを1周4秒、4周押してもいい』として、バッテリーが空になるまで使い切ってギリギリまで攻めたが、これだけのタイヤ差は如何ともしがたく、残り4周でフェルスタッペンはあえなくハミルトンに抜かれ、首位から陥落した。

 これ以上、できることは何もなかった。「最初から最後まで全開だった」と全力を出し切ったからこそ、フェルスタッペンは晴れやかな顔をしていた。

「今日のレースがそうだったように、ルイスは必要なら究極までプッシュすることができる。いつもそれだけのマージンを残して走っているんだ。今もメルセデスAMGが最速のマシンであることは変わらない。それはシンプルな事実だ。

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