2位で悔しい贅沢。レッドブル・ホンダの速さはメルセデスAMGと互角だ (2ページ目)

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki
  • 桜井淳雄●撮影 photo by Sakurai Atsuo(BOOZY.CO)

 ホンダは12分間で行なわれるQ3のなかで、2回目――つまり最後のアタックに出るまでのわずか5分足らずの間にエネルギーマネジメントの計算をし直し、最終アタックでは完璧にフェルスタッペンの驚異的なドライビングに合わせ込んでみせた。チームやドライバーだけでなく、ホンダも着実に進歩している証だ。

「(Q3に入って)乗り方、踏み方が変わったので、HRD Sakura、HRDミルトンキーンズ、そして現場の同時進行で対応しました。エンジニアたちは迅速、かつ適切な対応をしてくれたと思います。ですから、2回目のランまでに間に合わないとか、遅れるといったようなことはありませんでした」

 このポールポジション獲得は技術者たちにとって、より大きな意味があったようだ。

「結果は『レースがすべてだ』という考え方もありますし、長い距離を走っていろんな出来事があるなかで勝つのがレースなんですが、純粋な速さという点で『ポールポジションをいつかは獲りたい』というのはありました。

 その一方で、開幕からずっとメルセデスAMGとフェラーリに先を越されている状況が続き、そう簡単なものではないなとも思っていました。しかし今回は、コース特性とマシンの仕上がり、ドライバーのコンビネーションでポールポジションを獲ることができ、非常に励みになりました」

 フェルスタッペン自身も、史上最年少ポール記録がかかった昨年のメキシコGPで達成寸前までいきながらQ3最後のアタックでミスを犯し、チームメイトのダニエル・リカルドにポールを奪われるという辛酸を嘗めていた。それだけに、本人は「気にしていない」と言いながらも、「これでもう同じ質問はされなくて済む!」と冗談も飛び出すほど喜びもひとしおだった。

 史上100人目のポールシッターとなり、ホンダにとっては2015年のF1復帰後初、そして2006年の第3戦・オーストラリアGP以来のポールポジションをもたらした。

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