天候に翻弄されたインディカー。大雨、雷、竜巻で観客は命がけ (3ページ目)

  • 天野雅彦●文 text by Masahiko Jack Amano
  • 松本浩明●写真 photo by Hiroaki Matsumoto

 2位はポイントで4番手につけているスコット・ディクソン(チップ・ガナッシ・レーシング)。一時は20位近くまで後退、周回遅れに陥っていたが、そこから驚異的な追い上げを見せた。涼しいコンディションがマシンに合い、燃料セーブ作戦によりライバル勢より新しいタイヤで走れるチャンスをつかんだのが大きかった。3位は去年のウィナー、ジェームズ・ヒンチクリフ(アロウ・シュミット・ピーターソン・モータースポーツ)で、今年初の表彰台となった。

 佐藤琢磨(レイホール・レターマン・ラニガン・レーシング)は予選でペンスキー勢のすぐ後ろの4位をゲット。レースではスタートダッシュで2番手に浮上したが、1回目のピットストップまでそのポジションを保つことができず、その時点でほかのマシンより1回多いピットストップで戦う作戦に切り替えた。

 新しいタイヤを装着すると、古いタイヤで奮闘しているドライバーたちを次々とオーバーテイク。このペースならピットが1回多くても勝てる可能性は十分にあると見えた。だが、競り合って並んだ2台のマシンの後ろで乱気流を浴び、アクセルを戻したところに後続車が追突。琢磨のマシンはアンダートレイが壊れ、レース続行は不可能となった。

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