ドゥカティは欠点を改善できるか。ドヴィツォオーゾの忍耐も限界だ (4ページ目)

  • ニール・モリソン●取材・文 text by Neil Morrison
  • 竹内秀信●撮影 photo by Takeuchi Hidenobu

 ドヴィツィオーゾの忍耐も、もはや限界かもしれない。この4年間、彼はこの問題を繰り返し訴え続けてきた。しかし、それでも問題は解決を見ていない。ここ最近の彼は、イタリアメディアに対しても、かなり手厳しい言葉を返すようになった。

 ドイツGPのレースウィークでは、「マルケスに迫るためには、もっとアグレッシブになる必要があるのではないか」という質問に対して、「たとえばアッセンでは11番グリッドからスタートして、1周目で6番手までポジションを上げたけどね」とピシャリと言い返した。「でも、それでは十分ではない。と、そう言いたいわけだね」。

 ドヴィツィオーゾの主張にも一理はある。土曜の段階で勝機が途絶えたレースも何戦かであったとはいえ、オースティン(第3戦・アメリカズGP)やヘレス(第4戦・スペインGP)、ムジェロ(第6戦・イタリアGP)、アッセン、そしてザクセンリンクでは、まずまずのポイントを獲得している。マルケスの優勢さえなければ、ドヴィツィオーゾが上々のシーズンを過ごしていたかもしれないのだ。完走したレースはすべて、5位以上の結果で終えているのだから。

 だが、マルク・マルケスという圧倒的な存在が目の前にいる以上、それを受け入れて満足できるものでもないだろう。

 ドゥカティはやはり、強くなければならない。そして、サマーブレイク明けの2戦では、優勝争いを演じる力強い姿を再び見せてほしい。シーズン全体を通じてマルケスに対抗してゆくためには、ドヴィツィオーゾのコメントは謙虚に聞き入れられてしかるべきだ。さもなくば、今後も似たようなレース展開がまたしても繰り返されるだけだろう。

西村章●翻訳 translation by Nishimura Akira

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