MotoGP前半戦終了。日本人ライダー
7人は皆、輝きを放っていた

  • 西村章●取材・文 text by Nishimura Akira
  • 竹内秀信●撮影 photo by Takeuchi Hidenobu

 中小排気量クラスに目を転じると、Moto2では長島哲太(ながしま・てつた/27歳/ONEXOX TKRR SAG Team)がドイツGPを12位でゴールし、シーズン前半戦を折り返してランキング10番手につけている。今回のレースではフロントまわりに抱えていた課題を最後まで解決できなかったが、それでも決勝レースではマシンの課題を自らのライディングで埋め合わせ、レース後半まで力強く走りきった。

「今年は毎戦、安定してポイントを獲得し、チャンスがあるときにはシングルにも入れている。今日みたいに問題を抱えていても、抑えて走ればポイントを獲れているので、シーズンの流れとしては悪くない。今までできなかったことをできるようになった、という意味でも成長できていると思います」

 そう話すとおり、ノーポイントは転倒で終わった開幕戦のカタールGPのみで、以後の8戦は取りこぼしなくコンスタントにトップ15フィニッシュを続けている。

 2017年の長島は、前半9戦終了段階でわずか1ポイントを獲得したのみのランキング28番手だった。昨年の2018年シーズンも、ドイツGP終了時の成績は6ポイントでランキング24位。それらの結果と比較しても、今年は確実にひとつ上のレベルに進んでいることがよくわかる。

 後半戦では、予選順位を上げてさらに高い成績を収め、ランキングもひとケタのポジションを目指していくこと。これは、けっして無理な目標ではないだろう。

 Moto3クラスは、開幕戦で鳥羽海渡(とば・かいと/19歳/Honda Team Asia)が優勝を飾り、幸先のよいスタートとなったが、この数戦は毎回トップグループを争いながらも転倒を喫してリタイア、というレースが4戦続いてしまっている。速さを持った選手であることはすでに万人の認めるところなので、表彰台の常連になるための課題は、決勝レースをずる賢く戦って最後に好結果をさらってゆくしたたかさを身につけること、だろうか。

 鳥羽のチームメイト小椋藍(おぐら・あい/18歳)は、今年がフル参戦デビューシーズンで、不慣れなコースが続く序盤数戦はやや苦戦傾向にも見えた。フランスGPでは転倒して骨折し、次戦のイタリアGPを欠場したが、復帰戦のカタルーニャGPでは予選で2番グリッドを獲得して6位でゴール。第8戦のオランダGPも6位に入賞した。

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