2019.06.14

佐藤琢磨、残り8戦は得意コース続き。
王座獲得へ戦闘力アップ

  • 天野雅彦●文 text by Masahiko Jack Amano
  • 松本浩明●写真 photo by Hiroaki Matsumoto

 レースでも、琢磨は序盤戦を力強くリードした。ディクソンを突き放してトップを快調に60周走り続け、燃費も上々だった。大きな空気抵抗を受ける先頭を長く走りながらの好燃費はライバルを驚かせた。

 しかし、最初のピットストップで自分のボックスに止まり切れず、クルーにぶつかって勝利のチャンスを失った。ペナルティも課せられ3周遅れに陥り、挽回は不可能となった。

 幸いにもクルーは手首の軽いケガだけで済んだが、なぜ琢磨があそこまでのオーバースピードでピットにアプローチすることになったのか、ドライバーにもミスがあったのは確かだろうが、果たしてそれだけが原因だったのか。ナイトレースのピットの暗さなども影響していたはずだ。チームは同じミスが二度と起こらないよう、対策を施す必要がある。

 テキサスでは予選9位だった琢磨のチームメイト、グレアム・レイホールが3位で今季初の表彰台に上った。これはグッドニュースだ。琢磨のアクシデントで下がりそうだったチームの士気は高く保たれることになった。

 残りは8レース。初タイトルを狙う琢磨にとっての朗報は、ほぼその全コースで過去に好パフォーマンスを見せていることだ。常設ロードコースが4戦と最も多いのもの、第4戦バーバーでポールトゥウィンを飾っている琢磨にとっては、マシンに高い戦闘力が期待できる好材料。ショートオーバル2戦のうち、アイオワは去年優勝争いをしたコース。ポコノの高速オーバルも得意とするうえ、テキサスでPPを獲得したことから、いい走りが期待できる。残り1戦となったストリートも、トロントは去年優勝争いを展開したコースだ。

 未知数なのは最終戦、久しぶりの開催で琢磨がレースをしたことのないラグナ・セカ(ロードコース)だけだろう。チャンピオン獲得に意欲を燃やす琢磨とレイホール・レターマン・ラニガン・レーシングが、シーズン後半戦、どんな戦いぶりを見せるのか、楽しみだ。


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