「抜けないモナコ」の壁は高く。レッドブル・ホンダ、優勝に一歩届かず (4ページ目)

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki
  • 桜井淳雄●撮影 photo by Sakurai Atsuo(BOOZY.CO)

今年のモナコGPの主役は間違いなくフェルスタッペンだった今年のモナコGPの主役は間違いなくフェルスタッペンだった しかし、モナコで速かったからといって、それに慢心しているようなチームではない。ハミルトンと直接対決をしたフェルスタッペンは言う。

「今日は僕らのほうが速かったけど、それはメルセデスAMGが間違ったタイヤを履いたからだ。それだけで2秒は遅くなっていた。もし、彼らが正しいタイヤを履いていたら、彼らのほうが速かったはずだ。フェラーリのストレートの最高速を見れば、カナダでは間違いなく彼らのほうがコンペティティブだろう」

 ホンダの田辺テクニカルディレクターも続ける。

「予選と今日の結果を見れば、表彰台は狙えたと思います。しかしパッケージとしては、フェラーリと2番目を争うという意味で『2.5番目』という感じです。マックスとピエールを足して2で割れば、フェラーリ2台と比べて同等か、パッケージとしては下だったかもしれません」

 初めて目の前に優勝という現実的な可能性を感じられたのは、ホンダにとって大きな成長となるだろう。トロロッソの浮上による4台完走4台入賞は喜ばしいことだが、レッドブルはメルセデスAMGが犯したミスにつけ入り、優勝を奪い取ることができなかった。厳しい現実も見せつけられた。

 ホンダの優勝は、もうすぐそこまで来てはいる。だが、その頂点までの最後の一歩は、決して容易な一歩ではなさそうだ。

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