中盤戦の行方を占うアップデート。レッドブル・ホンダの伸びしろは? (2ページ目)

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki
  • 桜井淳雄●撮影 photo by Sakurai Atsuo(BOOZY.CO)

「フェラーリが思っていたほどコンペティティブではないのは驚きだけど、メルセデスAMGだってマシンをインプルーブ(改善)させるために必死で開発を進めているはず。バーレーンではメルセデスAMGがラッキーで優勝したけど、それ以外の3戦は非常にコンペティティブだったし、ミスもなかった」(フェルスタッペン)

 ただし、見た目ほど大きな差があるわけではない、とも語る。

「実際のところは、それほど(差は)大きくはない。バクーでも、第2スティントでは僕らが最速だった。問題は予選だけど、バクーではトウを使わずにあのタイムを記録したので、それができていれば0.3~0.4秒は稼げたはず。つまり、実際の差は0.2秒ほどだったということになる」

 レッドブルが開幕から抱えていたリアの不安定さはかなり解消してきたものの、タイヤに優しいがゆえに熱が入りにくいという特性は、依然として課題であり続けている。ただ、ダウンフォースが増えればタイヤへの入力が増え、熱も入りやすくなり、その問題は解決に向かうとみられている。

「タイヤのことを完璧に理解するのはかなり難しいし、とくに今年は市街地サーキットがトリッキー。バクーではウォームアップするのがものすごく難しかった。ここのサーキットではそこまで苦労しないだろうけど、それでもタイヤを正しいウインドウ(適正温度)に入れるのは難しいだろう」(フェルスタッペン)

 これは今季、多くのチームが直面している問題で、とくにハースは予選でQ3に進むなど中団グループトップの速さを見せているにもかかわらず、タイヤを適正作動温度に持っていくことができず、決勝では大きくデグラデーション(性能低下)が進んでしまっている。メルセデスAMGですら、「マシンにポテンシャルがあるのはわかっている。それを引き出せるかどうかは、タイヤをきちんと機能させられるかどうかだ」(トト・ウォルフ代表)と言うくらいだ。

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