「ポールポジションも狙えた」。レッドブル・ホンダがポジティブな理由 (3ページ目)

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki
  • 桜井淳雄●撮影 photo by Sakurai Atsuo(BOOZY.CO)

決勝でもレッドブル・ホンダはチグハグな戦いを見せてしまった決勝でもレッドブル・ホンダはチグハグな戦いを見せてしまった ただし、それだけのパフォーマンスがありながらトウを使うことができなかったのは、予選Q3で単独アタックをしなければならなかったからだ。

 Q1ではフェルスタッペンがタイヤを激しくロックさせてしまい、Q1突破のために2セット目のタイヤを使わなければならなかった。Q3でのアタック機会が一度きりとなった以上、渋滞にひっかかってタイムが出せず下位に沈むリスクは冒せなかった。

 そしてガスリーも、フリー走行中の車重計測指示を無視したことでピットレーンスタートが義務づけられた。また、予選Q1では前走車のトウに入って想定以上の速度とエンジン回転数で走行した際、燃料系システムに共振が生じ、燃料のフローが瞬間的に規定の100kg/hを超えてしまうという事態も起きた(これにより予選失格)。

 こうしたレッドブルらしくないチグハグな戦いは、決勝でも続いてしまった。

 スタートで出遅れたフェルスタッペンはセルジオ・ペレス(レーシングポイント)に先行され、ポジションを取り戻すのに5周を要した。前のセバスチャン・ベッテル(フェラーリ)には5秒の差を開けられ、先にピットインをしてアンダーカットを仕掛けようとした矢先、ベッテルが目前でピットイン。慌てて作戦を変更し、3周後にピットインしたが、ギャップは10秒に広がってしまった。

 ガスリーは後方からオーバーテイクを連発し、6位まで追い上げてきたが、39周目にドライブシャフトが破損してリタイア。この車両回収のために出されたVSC(バーチャルセーフティカー)で、フェルスタッペンのタイヤは冷えてグリップを失い、さらに同じトラブルを避けるために縁石を使わないように走ったため、最後に予定していたプッシュも控えることになった。

 こうしてアゼルバイジャンGPは、マシンが持っていたはずのポテンシャルを結果に結びつけることができず、4位で終わってしまった。

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