ホンダF1、待望のスペック2投入。「20馬力アップ」の噂は本当か (3ページ目)

  • 米家峰起●取材・文・撮影 text & photo by Yoneya Mineoki

 それに比べれば、年間4基目以降の投入時に科される最後尾スタートペナルティなど、彼らにとっては屁でもない。昨年何度か最後尾から表彰台に立っただけに、なおさらだ。

「ガッカリなんてことはまったくない。ホンダがそれだけプッシュし続けてくれているということだからね。去年何度かやったように、僕らは最後尾からスタートしたって表彰台に乗ることもできる。僕らにとって、ペナルティ自体は大きな問題じゃない。

 それよりも、シーズンが終わる頃にはパワーでメルセデスAMGやフェラーリに追いついているほうが余程ハッピーだ。そのために何基か多く使うのはまったく問題ないよ」(マックス・フェルスタッペン)

 ただ、レッドブルは、車体の問題点を完全に改善できているわけではない。根本的なグリップ不足の問題を解決するためには、スペインGPで投入予定のアップグレードパーツを待たなければならないからだ。

「マシン自体が何か間違っているとは思っていない。ただ単純に、グリップがもっと必要なだけ。その改善のためには、新パーツが必要だ。新しいパーツをマシンに組みつけるべく、チームは全力で努力している。その結果はいずれ見えてくるだろう。もちろん、どのチームもスペインGPに大きなアップグレードを投入してくるので、さらに優れた仕事をしなければならないけどね」(フェルスタッペン)

 バクーでは約2010m、時間にして約24秒間の連続全開走行となる長いストレートが存在する。ストレートの前半部分加速で威力を発揮しているフェラーリに差をつけられる可能性は大きい。

「メルセデスAMGと比べればその差は縮まっているからマシと言えるかもしれないけど、フェラーリと比べるとその差はかなり大きい。彼らが何らかの手段でうまくやっていることは確かなので、僕らもそのギャップを縮めるために努力しないと」(フェルスタッペン)

 中低速コーナーが連続するセクター1とセクター2は「レッドブル向きだ」とフェルスタッペンは言うが、現状のRB15がグリップ不足に苦しんでいるだけに、路面グリップが低くダウンフォースをつけるわけにはいかないバクーでは、苦戦を強いられる可能性もなくはない。

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