ホンダがインディカーで快進撃。なぜシボレー勢より優位に立てたのか (3ページ目)

  • 天野雅彦●文 text by Masahiko Jack Amano 松本浩明●写真 photo by Hiroaki Matsumoto

 次の第5戦はインディアナポリスのロードコース。ホンダは快進撃を続ける可能性が高い。注目すべきは、その次の世界最大のレース、インディ500だ。

 2018年のインディ500は、シボレーが予選でポールポジションからのトップ4ポジションを独占。レースでもウィル・パワーが圧勝し、エド・カーペンターが2位と1-2フィニッシュを飾った。勝因は、超高速オーバルでもっとも重要な最大パワーで、ホンダに対してアドバンテージを持っていたことだったと思われる。

 もうひとつ。昨年はシャシーの空力が新しくされ、それに合わせた新ルールが導入されたが、これがレース中のオーバーテイクを非常に難しくしていた。レースをエキサイティングなものにするルールになっていなかったのだ。その点、今年は改善がなされ、オーバーテイクの頻度が去年より多い、スリリングなバトルが繰り広げられることが期待される。

 そうなった時、シボレーは去年のような優位を維持できるだろうか。それとも、ユーザー層の厚さも手伝ってホンダ勢が逆襲することになるのだろうか。

 インディ500でのシボレーの優位は、回転数上限で発生させているトップパワーの大きさだけでなく、そこから少し下がった回転域でのパワーの高さにもあるという指摘がある。

 インディアナポリスモータースピードウェイの長い直線で400km/h近い高速に達したマシンは、アクセル全開のままステアリングが切られることによってコーナーへ飛び込んでいく。だが、タイヤに舵角が与えられて抵抗が増えることで、若干のスピードダウンが起き、エンジン回転数は少しだけ下げる。そしてドライバーはアクセルを踏み込んだまま、バンクを利用してコーナーを立ち上がっていく。この時のスピードダウンをミニマムにして、力強くコーナーを脱出して行くためのパワー、つまりピーク回転数よりやや低いレンジでのパワーでシボレーはホンダに優っているというのだ。

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