ホンダがインディカーで快進撃。
なぜシボレー勢より優位に立てたのか

  • 天野雅彦●文 text by Masahiko Jack Amano 松本浩明●写真 photo by Hiroaki Matsumoto

 ホンダがインディカー・シリーズのマニュファクチャラー・タイトル連覇に向けて着々と歩を進めている。

 開幕戦セントピーターズバーグこそ、シボレーエンジンユーザーのジョセフ・ニューガーデン(チーム・ペンスキー)が優勝したが、その後の3レースでホンダ勢はコルトン・ハータ(ハーディング・スタインブレナー・レーシング)、佐藤琢磨(レイホール・レターマン・ラニガン・レーシング)、アレクサンダー・ロッシ(アンドレッティ・オートスポート)によって3連勝。しかも、多くのドライバーたちが上位フィニッシュしたことでポイント争いで優位に立っている。

第4戦ロングビーチで優勝したアレクサンダー・ロッシ。ホンダはこれで3連勝第4戦ロングビーチで優勝したアレクサンダー・ロッシ。ホンダはこれで3連勝 インディカーのマニュファクチャラー・ポイント・システムでは、ポールポジション(PP)獲得に1点、優勝すると5点が与えられるが、それより大きいのは、それぞれのエンジンユーザーの中で上位フィニッシュした2人のポイントがカウントされる点だ。そちらはドライバーチャンピオンシップと同スケールのポイントになっているため、勝てば50点、2位なら40点で、1-2フィニッシュすれば90点が稼げる。

 2019年のホンダは開幕戦で敗れたが、2位と4位を確保してダメージを小さく収め、第2戦は優勝+3位、第3戦は1-2-3フィニッシュ、第4戦は優勝+3位と、3連勝に加えて多くの上位フィニッシュを実現した。第3戦を例にとると、ホンダがマックスの50点+40点+PPの1点+優勝の5点と、96点も加算したのに対し、シボレーは4位の32点と9位の22点で合計54点。この1戦だけで42点も差が開いた。

 ホンダがインディカー・シリーズで持つアドバンテージは、彼らが誇りを持って開発しているエンジンのパフォーマンスにももちろんあるが、2004年の参戦開始以来、アメリカで長年かけて育んできたホンダというブランドに対する大きな信頼感にある。

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