2019.04.11

ゴーンショックの影響はなし。
スーパーGT日産の名門が復活へ好調維持

  • 吉田知弘●取材・文 text by Yoshita Tomohiro
  • 吉田成信●撮影 photo by Yoshida Shigenobu

「『この調子で何とかチャンピオンを……』という感じでは絶対に上に行けないし、そういう守りの言葉もよくない。チーム全員でどんどん攻めていかないと」

 星野監督が気を緩めないのは、過去に苦い経験を何度も経ているからだ。

 12号車は毎年トップ争いに絡む活躍を見せるものの、ここ数年はあと一歩で悔し涙を飲んできた。2014年と2015年は最終戦までチャンピオン争いを演じたが、肝心なレースで好結果を得られず惜敗。昨年の第5戦・富士500マイルレースでも安定した走りでトップを快走するも、チェッカーまで残りわずかのところでエンジンルーム内のトラブルで無念のスローダウンとなり、またも勝利を逃した。

 どんなに速くても、調子がよくても、チェッカーフラッグを受けるまでは絶対に油断できない――。

 その言葉の意味を、星野監督は誰よりも心得ているのだろう。彼の「最後まで攻め続ける」姿勢は、ドライバーやチームスタッフにもしっかり染みついている。

 岡山の合同テストでトップタイムを記録した佐々木は、このように語った。

「(岡山テストでのベストタイムについて)満足はしていないです。正直、ホンダ勢は絶対に(手のうちを見せないために)抑えて走っていたし、最終的に僕たちと近いところにくるんじゃないかなと思っています。そういう意味では、僕たちもまだ足りない部分があるので、そこを補っていかないと開幕戦でポールポジションは取れません」

 富士の合同テストでトップタイムを記録したロシターも、佐々木と同様に気を引き締める。

「ここまでのテストでは、いい部分もあれば改善したい部分もある。そして何より、僕自身がもっとGT-Rの特性を勉強しなければいけない。開幕戦に向けてテストを繰り返し、クルマのパフォーマンスを少しでもよくしなければ」

 トップタイムを出せば、普段なら上機嫌で話してくれるロシターも、冷静にシリーズを見据えていたのが印象的だった。