レッドブル・ホンダは本当に2番手か。
バーレーンで真の実力がわかる

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki
  • 桜井淳雄●撮影 photo by Sakurai Atsuo(BOOZY.CO)

 メルボルンではほとんど不可能だったオーバーテイクも、バーレーンでは多く見られるだろうと予想される。今年のDRS大型化に加えて、もともとオーバーテイクの容易なコースなうえにDRSゾーンが3箇所(メインストレート、ターン3~4、ターン10~11)に増やされたからだ。

 ホンダはメルボルンでのデータを分析して、さらにセッティング面の最適化を進めたパワーユニットをバーレーンに持ち込んできている。とはいえ、スペック1のポテンシャルはすでに十分に引き出せているため、使い方の面でそれほど大きな進歩があるわけではない。

 ただ、ホンダにとってバーレーンは、昨年トロロッソとともに4位を掴み取った場所。上位勢の脱落によるものだったとはいえ、中団グループのトップを快走し、ハースとのバトルを制しての4位であることもまた事実だ。

「オーストラリアは半公道サーキットですから、普通の路面のパーマネントサーキットであるバーレーンに来た時にどうか。バルセロナから一歩前進したメルボルン、そして普通のサーキットに戻ったバーレーンと、みんな同じようにステップを踏んできているので、ここでさらに自分たちのパフォーマンスレベルとライバルとの差が見えてきます」(ホンダ田辺テクニカルディレクター)

 今季のF1は新レギュレーションのもとで再出発しているだけに、各チームの伸びしろは大きい。その分だけ、開発競争は激しいものになる。パワーユニット面では2強が限界に近づきつつあるなか、ホンダはまだまだ伸びしろがある。フェルスタッペンはこう語る。

「オーストラリアは少し変わったサーキットだったので、バーレーンや中国ではもう少しクリアな勢力図が見えてくると思う。今後の勢力図は、どのチームがどれだけアップグレードを持ち込んでこられるかにかかっている。それは、車体とパワーユニットの両面でね」

 今週末のバーレーンでは、開幕戦以上に正確な勢力図が見えてくるはずだ。しかしそれは、あくまで現時点での勢力図に過ぎない。重要なのは、そこからいかに進歩し続けられるかだ。

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