佐藤琢磨も感嘆。インディカーに18歳の史上最年少ウィナー誕生 (2ページ目)

  • 天野雅彦●文 text by Masahiko Jack Amano 松本浩明●写真 photo by Hiroaki Matsumoto

 レイホールは、インディカーで3回チャンピオンになり、インディ500でも優勝しているボビー・レイホールの息子。アンドレッティは、F1とインディカーの両方でチャンピオンになった最初のドライバー、マリオ・アンドレッティの孫で、父マイケルもインディカー・チャンピオンだ。ふたりは、若いうちからチャンスを与えてもらえる血筋のよさというアドバンテージを見事に活用したわけだ。

 今回勝ったハータの父、ブライアンも、インディカーで4勝している元ドライバー。現役引退後はチームオーナーに転身し、インディ500で2勝と大成功を収めている。

 息子のコルトンは、自分が共同オーナーのチーム=アンドレッティ・ハータ・オートスポート・ウィズ・マルコ・アンド・カーブ・アガジェニアンではなく、ハーディング・スタインブレナー・レーシングから出場している。だが、いずれもアンドレッティ・オートスポートというグループの一員で、両チームと5人のドライバーがフルに情報交換を行なってマシンを仕上げることが可能な強力な参戦体制となっている。

 2008年のグレアム・レイホール同様に、幸運が味方しての初優勝だった。しかし、予選で4番手というグリッドを確保し、レースでも、スタートからずっとトップ3のポジションを保ち続けたからこそ、追っていたライバル2人の前に出る幸運を授かった。

 勝利を決定づけた幸運とは、ハータのピットタイミングだった。ポールポジションからトップを走り続けたウィル・パワー(チーム・ペンスキー)と、それを追い続けた予選2位のアレクサンダー・ロッシ(アンドレッティ・オートスポート)。周回を重ねると彼らに差を広げられる戦いとなっていたハータは、そのダメージを小さくすべく、彼らより1周早くピットインする状況となっていた。

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