インディ開幕戦からホンダ、シボレーが拮抗。佐藤琢磨はリタイア (3ページ目)

  • 天野雅彦●文 text by Masahiko Jack Amano 松本浩明●写真 photo by Hiroaki Matsumoto

 インディカーには、レッドとブラック、両方のタイヤをレースで少なくとも2周は使わなければならないというルールがある。出場した全車がスタート時にレッドを装着したのは、早めにピットして、残りをブラックで戦い抜く作戦を採用したためだ。ところが、勝利を飾ったのはレース後半にレッドを投入したニューガーデンだった。

 ニューガーデンはスタートをユーズド・レッドでこなし、タイヤのラバーがのってグリップの上がったレース終盤に新品レッドを投入。グリップが高いうちに2番手以下との差を広げ、その後のラップタイムの落ち込みを小さく抑えたことで逃げ切りを成功させた。

 レース半ばに2番手に浮上していたディクソンは、最初のピットストップの後にブラックを3連投して全力プッシュしたが、逆に彼の方がラップタイムを落とす苦しい戦いを強いられた。

 ニューガーデンは開幕戦での勝利に、「ライバルとは異なる作戦で戦いたかった。それがユーズド・レッドでのスタートで、後半に新品レッドを入れたことでリードを広げることができた」と喜んだ。タイヤの準備、そしてタイヤを労わる走りが、勝因となった。

 2位はディクソン、3位には予選トップだったパワーが入り、元チャンピオン3人が表彰台に並んだ。

 開幕戦でシボレーは優勝と3位という好結果を残した。しかし、ライバルのホンダも、2位ディクソンをはじめ、トップ10に7人が入った。シボレーはシモン・パジェノーが7位で、チーム・ペンスキーの3人だけがトップ10フィニッシュという結果だった。

 佐藤琢磨はギヤボックスのトラブルでリタイアし、結果は19位だった。

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