2019.03.15

インディ開幕戦からホンダ、シボレーが拮抗。
佐藤琢磨はリタイア

  • 天野雅彦●文 text by Masahiko Jack Amano 松本浩明●写真 photo by Hiroaki Matsumoto

 日本企業のNTTが冠スポンサーについた今年のインディカー・シリーズ。全17戦のチャンピオンシップは、セント・ピーターズバーグのダウンタウンで幕を開けた。シーズン最初のレースに集まったのは24台のインディカー。シャシーは全員ダラーラを使用し、エンジンはホンダユーザーが14台、シボレーは10台という内訳だった。

開幕戦で、一時は8位まで順位を上げたものの、リタイアに終わった佐藤琢磨 予選は今年も3段階で争われ、トップ6によるタイム・アタック合戦でポールポジションを獲得したのは、2014年チャンピオンのウィル・パワー(チーム・ペンスキー)だった。

 トップ6のうち4人がホンダエンジン搭載だったが、2位にはジョセフ・ニューガーデンが入り、トップ2をシボレー搭載のペンスキー勢が占めた。彼らは、「シボレーエンジンのパワーバンドが広がった」と話していたが、ペンスキーのアドバンテージはそこにではなく、タイヤの使い方にあったように見えた。シボレーはユーザーに、”ドライバビリティが高まった”と言ってほしいようだが、ペンスキーの優位はソフト・コンパウンドのレッド・タイヤでの速さにあった。

 インディカーのストリート、ロードレースでは、ソフトとハード、2種類のタイヤが供給され、サイドウォールが赤くされているのでソフトがレッド・タイヤと呼ばれている。そのレッド・タイヤから、短時間に高いグリップ力を発揮するパフォーマンスを引き出すセッティングや走り、あるいは数周をこなした後、グリップが落ちているはずのタイヤの使い方で、彼らはライバルたちの知らないノウハウを持っているようだ。
 
 予選前の3回のプラクティスでは2位、1位、1位だった2012年チャンピオンのライアン・ハンター-レイ(アンドレッティ・オートスポート)は、予選5位という結果に、悔しさを隠さなかった。「レッド・タイヤでマシンがダメだった。特にユーズド・レッドでの走りが悪かった」と、彼は説明する。