「いきなり優勝」の現実度。レッドブル・ホンダは速いのか、遅いのか? (3ページ目)

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki
  • 桜井淳雄●撮影 photo by Sakurai Atsuo(BOOZY.CO)

 これによって、レッドブルは本格的なレースシミュレーションはおろか予選シミュレーションもできず、目立ったラップタイムを記録することなく、後半4日間のテストも早期終了することになってしまった。

 クラッシュによる影響もさることながら、ギアボックス自体が抱える問題も、やや不安が残る。テクニカルディレクターのピエール・ヴァッシェは言う。

「2日目のトラブルは、外部からの衝撃によってダメージが加わったようだ。詳しい原因はまだ究明できていないから、これからしっかりとその原因を突き止めて、対策を施さなければならない」

 テスト3日目にガスリーはC5タイヤで予選シミュレーションを行なったが、セバスチャン・ベッテルの最速タイム1分16秒221から0.870秒遅れの総合11位。

 ただ、これは本気でフルアタックしたものではないと、ヴァッシェは語る。

「予選を想定したアタックは行なうけど、それはあくまでタイヤの反応を見るためのもの。本気で最速タイムを目指していくランではない。(空タンクではなく)燃料は搭載した状態での走行だよ」

 しかし、それを差し引いても、シャルル・ルクレールが記録した1分16秒173のトップタイムに届かなかっただろうと、ガスリーは語った。

「正直言って、無理だったと思う。RB15はいいクルマだし、僕らにもポテンシャルはあるけど、フェラーリはかなり速いように感じられる。だから、僕らもかなりのハードワークが必要になるだろうね」

 一方のフェルスタッペンは、最終日の予選アタックを行なう前にトップと1.488秒差のタイムをC3タイヤで記録している。C5と比べればタイヤの差は1.2~1.4秒だから、トップに肉薄する速さがあることはわかる。

 だが、フェルスタッペンもフェラーリを超えるのは容易でないと考えているようだ。

「間違いなく彼らは速い。メルボルンは、ここ(バルセロナ)とは違うコース特性・気候で戦うことになるので、アメイジングなレースにはならないかもしれない」

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