佐藤琢磨は優勝争いに食い込めるか。インディ開幕、今季の勢力図 (3ページ目)

  • 天野雅彦●文 text by Masahiko Jack Amano 松本浩明●写真 photo by Hiroaki Matsumoto

 ロッシ、ハンター-レイは昨年もタイトルを争った実力派。アンドレッティ・オートスポートのロードコース用セッティングが非常に戦闘力の高いレベルに保たれていることが今回のテストで確認された。

 アンドレッティ軍団に対抗するのが名門チーム・ペンスキーだ。昨年はインディ500をパワーの手によって制したものの、タイトルは逃した。2014、2016、2017年のチャンピオン3人を擁する彼らは、この6年間で4回目の王座を目指す。そのためにポイントとなるロードコースでの速さはトップレベルにある。

 テストでは、パワーが1分47秒1044のベストで3番手、パジェノーは1分47秒2116で5番手、ニューガーデンは1分47秒6625で11番手だった。昨年、ダウンフォースの減ったマシンに馴染み切れず、優勝争いにほとんど絡めなかったパジェノーが、今回のテストで速かったのは大きなプラス要因だ。今年は3人で作業を分担し、マシンを進歩させることが可能となるからだ。

 昨シーズンは最終戦までもつれ込んだ混戦を制し、キャリア5度目のタイトル獲得という記録を打ち立てたのが、ニュージーランド出身のディクソンだ。チップ・ガナッシ・レーシングとしては12回目のチャンピオンシップ獲得だった。

 今年のディクソンのチームメイトは、27歳のフェリックス・ローゼンクビストに変更となった。F3のマカオGPで2勝しているスウェーデン出身のドライバーは、今回のテストではディクソンを上回るタイム(1分47秒2941)で総合6番手につけた。ルーキーイヤーにして初勝利を十分に狙えるドライバーだ。ディクソンは総合8番手のラップ(1分47秒3684)を記録した。

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