佐藤琢磨は優勝争いに食い込めるか。
インディ開幕、今季の勢力図

  • 天野雅彦●文 text by Masahiko Jack Amano 松本浩明●写真 photo by Hiroaki Matsumoto

 インディカーシリーズにはストリートコース、常設のロードコース、オーバルコースがあり、どのコースでも万遍なく速さを発揮するのが難しい。才能ある若手がスピードを見せつけて勝つこともあるが、豊富な経験を武器にベテランが勝利を収めることも少なくない。

 今年のインディカーのカレンダーからは、アリゾナ州フェニックスの1マイルオーバルと、カリフォルニアワインの産地ソノマのロードコースが消えた。シーズン序盤のフェニックスに代わってカレンダー入りしたのは、F1グランプリを行なってきたサーキット・オブ・ジ・アメリカス(COTA)。シーズン最終戦だったソノマは、同じサンフランシスコエリアのモンテレイにあるラグナセカ・レースウェイにとって代わられた。

 フェニックスが消えたことで、ショートオーバルはアイオワとセントルイスの2戦のみになり、重要性がダウン。逆に、常設ロードコースは17戦中6戦から7戦へと増えた。あとはストリートが5戦、1.5マイルオーバルが1戦、スーパースピードウェイが2戦というのが、今年のシリーズの内訳だ。

 開幕直前合同テストは、今年からカレンダーに加わったCOTAで2日間にわたって開催され、合計11時間の走行時間が用意された。

 このテストで安定した速さを誇ったのは、ルーキーのコルトン・ハータ(ハーディング・スタインブレナー・レーシング/ホンダ)、ロッシとハンター-レイ、さらにはパワー、シモン・パジェノー(チーム・ペンスキー)といった面々だった。

 ハータは、アンドレッティ・オートスポートと共闘体制を組んでいるチームからの出場。先輩チームメイト4台と情報をシェアすることで、初テストの4セッションのうちの3回で最速ラップを記録。2日目午後のベスト(1分46秒6258)がテスト最速ラップとなった。このスピードを3月のレース本番でも発揮できれば本物だ。

2 / 5

厳選ピックアップ

キーワード

このページのトップに戻る