レッドブル・ホンダ、テスト結果は上々。ようやく春が訪れる予感 (2ページ目)

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki
  • 桜井淳雄●撮影 photo by Sakurai Atsuo(BOOZY.CO)

 テスト1週目でそれをやってしまえれば、次のテストに向けたアップデート......パフォーマンスというよりも信頼性の補強みたいな感じですが、その対応パーツがテストの2週目や開幕戦までに間に合います。8日間のテストの8日目に問題が出ても、(その対策品の投入と確認作業は)なかなか難しいですから、とにかく最初にネガ出しをしてしまい、それに対応して次のステップへという感じです」

 この段階では、パワーユニット単体でのパフォーマンスを推測するのは難しい。どのチームもコンサバティブなモードで走っていたり、実力を明かさないためにある程度の燃料を搭載して走っているからだ。

 しかし、スピードトラップやコントロールライン通過スピードでは、レッドブル、トロロッソの両方が上位に名を連ねている。

 最終日のベストタイムを例に取れば、直線主体のセクター1ではトロロッソのアレックス・アルボンが最速。トータルのラップタイムで0.244秒速かったルノーのニコ・ヒュルケンベルグよりも速かった。この事実から、現段階でホンダのパワーユニット性能がまずまずのレベルにあることは間違いなさそうだ。

 トロロッソはセクター3でルノーに0.434秒と大きな差をつけられて2番手タイムだったが、低速コーナーで抜群のメカニカルグリップを誇るレッドブルであれば、さらにタイムを削ることができるはずだ。もちろん、中高速コーナーの多いセクター2でもタイムを稼ぐことができる。トロロッソのラップタイムを見るかぎり、レッドブルの伸びしろはまだまだ大きい。

 レッドブルは、初日から基本システムのチェックと空力データの収集に専念し、設計および風洞実験の想定どおりのマシンに仕上がっているかを徹底的に確認していった。

 各ドライバーが2度目のドライブを行なう3日目以降は、細かくセットアップを変更しては15~17周のセミロングランを繰り返し、それぞれの変更に対するマシンの反応とタイヤライフへの影響をチェック。セットアップ変更点以外の変動要素を最小限に抑えるために、摩耗量が少なくグリップ変動の少ないC3タイヤ(※)で走り続けた。

(※)ピレリが用意した2019年シーズンのドライタイヤは5種類(C1〜C5)。もっともハードなタイプがC1で、一番ソフトなものがC5。レースでは5種類の中から3種類をピレリが用意し、硬いほうからハード、ミディアム、ソフトと呼ばれる。

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