ホンダF1・モータースポーツ部長を直撃。新型PUの仕上がりは? (2ページ目)

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki
  • 桜井淳雄●撮影 photo by Sakurai Atsuo(BOOZY.CO)

 昨年はトロロッソという新たなパートナーから多くを学び、兄弟チームであるレッドブルとも共同作業を進めてきた。

 新車RB15の開発プロセスにおいては、車体とパワーユニットをどうパッケージングするかが極めて重要になるが、お互いに意見の押しつけはなく、『最適解』を見つけるためのコミュニケーションが交わされた。最速のマシンを作り上げるために必要なのは、くだらないプライドやメンツなどではなく、「正しい答え」だからだ。

 マクラーレンとの間では、名門チームと新参者という隔たりがあり、それがうまくいかなかった。ただ、トロロッソとの間では、マシン開発に費やせる時間があまりに少なかったために妥協を強いられた。

 その点、今年のレッドブルとホンダの共同作業は、非常にスムーズに進んだようだ。

「レッドブルのスタッフがHRD Sakuraに来たり、ミルトンキーンズにいる田辺(豊治)たちがレッドブルのファクトリーに行ったりしています。当初の予定から若干の遅れはあるんですけど、ほぼ計画の枠の中で進んでいます。

 レッドブルにとってはよくあることみたいで、先週クリスチャン・ホーナー(レッドブル・レーシング代表)に会ったら、『ちょっと遅れているけど、いつものことだから大丈夫だよ!』と言ってました(笑)。彼らはそういうことにも慣れているんでしょうね」

 レッドブル側からは盛んに、「勝利」や「チャンピオン」を意識したコメントがメディアに流されている。それだけ、レッドブルとしても2019年シーズンに期待を抱いているということだ。

 車体の仕上がりは、データ上では上々のようだ。

 CADの設計データとCFD(電子風洞)、風洞実験で、ダウンフォース発生量やメカニカル性能など、おおよその数値はわかる。それがコース上の実走でもきちんと再現されれば、RB15の車体性能はかなり高そうだ。

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