F1も世代交代の波。フェラーリ加入の
21歳がベッテルに引導を渡す?

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki
  • 桜井淳雄●撮影 photo by Sakurai Atsuo(BOOZY.CO)

 それでもクビツァは1年間、チームに帯同したことで多くを学び、さらに成長できたという。

「コクピットからではわからないいろんなことが見え、今のF1マシンを速く走らせるために何をどうすればいいのかがわかった。今の僕は、明らかに1年前の僕よりも成長している。多くの人が腕のハンディキャップを気にして、本当に大丈夫なのかと思うのもわかる。だけど、もし無理だと思ったらここにはいないよ。恐れのようなものはない」

(9)全25戦&土曜・日曜の2日間開催。F1改革はさらに進む?

 F1を統括するリバティメディアは、すでに2020年からのハノイ市街地でのベトナムGP開催を決め、さらにフェルスタッペン人気で盛り上がるオランダ、ケビン・マグヌッセン(ハース)人気のデンマークなど、グランプリ開催地の拡大路線を狙っている。

 2019年はまだ従来どおりのスケジュールで、全21戦の開催。だが、2020年以降に向けては年間25戦前後の開催を目指しており、土曜・日曜の2日間開催にして参戦者たちの負担を減らすと同時に、フリー走行時間を減らして不確定要素の拡大も狙っているという。

 ただし、チーム関係者は短くても木曜から日曜、スタッフによっては前週の日曜からレース翌日まで働き続ける者もおり、1日短くなったからといって負担が大幅に減るわけではない。フリー走行の短縮についても、実走行時間が短ければ短いほどシミュレーションのリソースが豊富なトップチームに有利になると見られ、格差拡大につながるのではないかと懸念されている。

 演出面では、どんどんアメリカナイズが進むと予想される。昨年はロゴを刷新し、ハリウッド映画のようなテーマソングを制作し、エンタメ性を向上させた。テレビ中継にもさまざまなテロップを入れて、わかりやすさを追求すると同時に、好きな車載カメラや無線音声が選べるインターネットでのデジタル映像配信『F1TV PRO』を開始。さらにYouTubeやSNSでの動画配信も積極的に行ない、視聴者数の拡大を狙ってきた。

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