2019年のF1を大胆予想。レッドブル・ホンダは平成のうちに勝てるかも (3ページ目)

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki
  • 桜井淳雄●撮影 photo by Sakurai Atsuo(BOOZY.CO)

 2月のバルセロナ合同テストまでに、そこを潰しきらないといけない。よく報道されているオシレーションの件(シフトアップ時の回転数振動)はもう改善できていますけど、次のハードルをクリアすればまた次の課題が出てくるわけで、そこをどれだけ速く潰していけるかが今のホンダにとって必要なことだと思いますね」

 この姿勢があれば、ホンダが大きくつまずき、0勝に終わるという心配はしなくてもいいのではないだろうか。初優勝は本当に、平成のうちに訪れるかもしれない。

(5)跳ね馬復活はいかに。お家騒動はフェラーリ崩壊の始まりか?

 年が明けて、フェラーリはマウリツィオ・アリバベーネ代表を解任して技術責任者マッティア・ビノットをチーム代表とする人事を発表した。これによって、昨シーズン中ずっと続いてきた「お家騒動」に、ひとつのピリオドが打たれた形になる。

 そもそも、フィアットのセルジオ・マルキオンネ前会長がアリバベーネを代表に据えてチーム改革に乗り出したのが2015年。以来、チームの技術力はたしかに向上し、2018年はついに「最速のマシン」と言われるところまできた。

 それにもかかわらず、レース戦略やドライバー管理で失態を繰り返し、タイトルを逃してしまった。さらに後ろ盾であったマルキオンネ前会長が7月に急逝したことにより、ビノットとの権力闘争が勃発。チームはさらに混迷を極めていった。

 最後の最後までどちらに転ぶかわからないまま、2019年に向けた準備が進められ、そしてようやく年が明けて決着した。

 ビノットはパワーユニット部門の責任者からテクニカルディレクター、そしてチーム代表へと昇進してきた。チーム内はイタリア化が進み、技術者であるビノットにマラネロの組織を統率できるのかどうかには疑問が残る。アリバベーネはマルキオンネの顔色ばかりをうかがっていたと指摘する声もあるが、実質的なマルキオンネの後任としてフェラーリ会長となったフィアット創業家のジョン・エルカンに頭を押さえられたビノットも同様だろう。

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