2019年のF1を大胆予想。
レッドブル・ホンダは平成のうちに勝てるかも

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki
  • 桜井淳雄●撮影 photo by Sakurai Atsuo(BOOZY.CO)

 タイムレースではなくポジションレースである今のF1において、このグリッド位置の差は大きい。それも、レッドブルが自信を持っている理由のひとつなのだろう。

 一部では、山本雅史モータースポーツ部長の「平成のうちに勝つ」といった発言が報じられたが、開幕4戦のうちに勝つという意味ではなく、レッドブルが得意とするモナコGPでは当然勝利がターゲットになる、という意味での発言だったという。

「平成って言ったのは僕じゃなくて、僕が言ったのは『モナコとかではかなりチャンスがあるから、5月末のモナコまでに勝ちにこだわったことをやっていきたいね』っていうことなんです。もちろん、開幕戦のオーストラリアGPから(勝利に)こだわっていきますよ。ただ、この世界は謙虚にいかないと」

 レッドブルとの共同作業は順調に進んでいるといい、ミルトンキーンズで田辺豊治テクニカルディレクターらが連携するほか、昨年12月にはエイドリアン・ニューウェイがHRD Sakuraやホンダ本社を訪れ、「年末にエイドリアン(・ニューウェイ)と会ったけど、『すごく手応えがある形で進んでいるから』と言っていました」という。

 それでも、ホンダは浮き足だっておらず、地に足をつけている。2015年に復帰して以来、ホンダはまだF1のトップチームとは組んだことがなく、トップレベルで戦ったことがない。その経験値の足りなさを、ホンダはしっかりと自覚している。

「ホンダはF1に復帰してからまだ勝っていないから、勝つためのツールというものを理解していない。僕はそう思っています。(勝つためには)こういうプロセスで戦わなきゃいけないんだっていうのは、勝って初めてわかるものだと思うし、レッドブルはそれがわかっているけど、僕らのパワーユニットがそこにどれだけ追従できるのかが、最初の肝だと思っています。

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